日本の場合、工業立国として岸壁の埋め立て、工場の立地などが優先されてきました。観光業界は常に後回しにされてきたのです。その結果、観光の魅力が全くない状況になってしまったのです。

沖縄のように観光業が盛んな地域であれば、観光業が重視されることもあるでしょう。しかし、日本全国の多くの地域においては、観光業は軽視され続けてきました。

地元の人に愛されるホテル経営

地元の人から「このホテルはケチでサービスが悪い」と思われたら、地元の人が誰も宿泊しなくなります。また、友達に紹介することもなくなるでしょう。地元の人に対して愛されるホテルになる必要性があるのです。そうでなければ、今どきの地域のホテルは生き残っていけません。

観光客が「大手チェーン系ビジネスホテル」に宿泊するようであれば、価格の優位性で地元のホテルはすぐに潰れてしまいます。そうさせないためには、地元における評判を上げていく必要があります。

観光客の視点に立っていない

観光客は、観光スポットを巡る時には、交通の便を考えると同時に、食事する場所、カフェする場所などを考えなくてはいけません。日頃からカフェなどをいじするためには、観光客だけでなく地元の人から愛されていることが必修になります。地元の人が毎日のように足を運ばないと、観光客が来ない季節に店舗を維持できないからです。これは、ホテル業界にも言えていることです。

ホテルであれば、カフェを併設して、地元の人が立ち寄りやすいメニューと価格設定にするのが良いでしょう。若者がデートで使うようなイメージを想定すると良いでしょう。

いい人材が集まる訳がない

ホテル業界は、働き方もブラック労働であるので、良い人材が全く集まることがありません。休日は取れない、朝は早くて夜遅い、中抜けがある、将来性が見えないという中で働きたいという人材は皆無でしょう。新卒で社員が入社しても、多くの社員がすぐに辞めていってしまいます。

結果として、ホテル業界で働いている労働者の多くは、能力が低いやる気のない人間が多くなり、ホテルのマネジメント、接客レベルが低い状況になってしまいます。レストランのホール業務などは、何年もやったところで職業経験になりません。

リゾバの派遣アルバイトが多い現実

全国のリゾートホテルでは、リゾバの派遣アルバイトを使っている現実があります。忙しい夏休み、冬休み、GWなどにリゾバイターを採用して乗り切っているのです。リゾバイターの半分は、学生アルバイトなので、かなり接客の質は低いものになります。

それまで、現場の正社員が苦労して築き上げてきたお客との信頼関係、ホテルブランドなどは、何も知らないアルバイターの接客で破壊される可能性があります。しかし、素人アルバイトを採用するということは、ホテル側がそのリスクを覚悟しなくてはいけないのです。

ブラック労働に耐える奴隷不足

ブラック労働に耐えうる奴隷を集めようとしても、なかなか簡単に騙されてくれる人は存在しません。簡単に騙されるのは、寮が付いて食費が無料だからという理由で集める「かなりお金に困っている人」ということになります。そのように「金銭に困った人を騙す手法」で成立しているのが今の日本における観光業ということになります。

ちなみに、欧米においてこうしたブラック観光業界を担うのは、移民たちの仕事です。移民たちは、ビザ更新できないことを恐れて、かなりの激務を安い給料でこなすことを担っています。本人たちも奴隷労働に従事していることは把握しているのですが、「仕事がないよりましだ」と考えたり、本国にいるより良い生活だと考えている場合が多いです。

日本人でもつまらない観光地

日本人でも観光が難しい「つまらない観光地」に外国人が集まってくるはずもありません。

高尾山のモデル

世界で最も登山者数が多い高尾山は、既に「観光化された登山ができる山」として知られています。登山道の整備だけではなくて、お団子を食べることができたり、山頂で昼食を食べることもできます。