映画「プライベートライアン」では、兄弟4人のうち3人が戦死して、末子のライアン兵が救助されるストーリーです。アメリカ海軍の軽巡洋艦「ジュノー」の乗組員であるサリヴァン兄弟の5人(20歳~27歳)は、日本海軍伊26の攻撃を受けて全員が死亡しました。米軍では、これを機にして1948年「ソウル・サバイバー・ポリシー」が作成されます。

兄弟が一緒に行動することは、家族全体においてリスクを高めてしまう場合があります。兄弟が一緒に行動しなければ、1人に不幸ごとが起こっても、家族全体が揺らぐことがないからです。

仙丈ヶ岳で兄弟遭難死

2012年12月、南アルプスの仙丈ヶ岳を登山していた兄弟が遭難死しました。弟(47歳)が稜線上でザックを担いだまま倒れていて、そこから約100下で滑落したと思われる兄(53歳)が死んでいたという状況から、兄が先に滑落して、弟がその兄をその場で救助隊を待つうちに体力を奪われて死亡したというものです。

テントは兄のザックの中に入っていて取り出すこともできないまま、吹雪の中で動かなければ、そのまま死亡に繋がってしまいます。特に冬山では、ツェルトとエマージェンシートの両方を各人が持ち合わせておくべきという教訓でした。また、